辛い体の痛みの中でも、とても多いのが”腰の痛み”。
1日程度で緩和されるものから、十数年間も痛みから解放されないという人もいて、
その痛みの度合も個人差が大きいのが特徴です。
また「腰の痛みの原因」は非常に判別しにくく、
対処療法も一時的なものしか無い場合が多いのも人々を悩ませる理由のひとつでしょう。
ひとつの原因だけではなく複数の原因が複雑に絡み合って痛みを起こしていることもあります。
今回は腰痛の原因と言われる8つのポイントをご説明いたします。
1.日常の姿勢
腰に良くないと言われている姿勢はいくつか存在します。
・後頭部より後ろにお尻の位置が来る【反り腰の立ち姿勢】
・左右どちらかの骨盤が高くなる【休めの立ち姿勢】
・パソコンを使っている時になりがちな【猫背の座り姿勢】
・尾てい骨が椅子や床に密着するような【腰丸め姿勢】
女性に多いのが【反り腰】【腰丸め】の2パターンです。
これは腰椎に負担をかけ、骨と骨の隙間を四六時中圧迫している状態になり、
長期間この姿勢がクセになっていると腰痛を起こします。
さらに、尾てい骨がベタっと椅子の座面にくっついてしまうほど腰を丸めた姿勢で座ることも、
お腹側から腰椎に重力をかけ続けることになるため負荷が強く、
立ち上がった時に腰や膝に痛みが生じる場合があります。
2.骨盤や背骨周囲の歪み
歪んだ立ち姿勢や座り方、また寝姿勢などの乱れでも起こるのが骨格の歪みです。
骨格の歪みやズレを生じさせるのは姿勢だけではなく、怪我の後遺症などでも起こり得ます。
骨折、捻挫、打撲など強い衝撃が骨や腱を直接襲った場合、そのダメージを修復しようとし周囲の組織が硬化します。
怪我の炎症が収まってもしばらくの間硬化は続きますので、硬化した組織の影響が周囲に広がり、
歪みとして残ってしまうことがあるのです。
3.筋肉疲労や筋力低下
運動不足の方、そして過度な運動を行った人にも腰痛は出やすい症状です。
普段あまり運動をしない人や病中病後の方など、腹筋や背筋が細くなってしまっている場合、
腰椎や骨盤の支えが無いために体の重さや内臓の重さの負荷を支えられず、
長時間同じ姿勢を保てないような腰痛を起こします。
逆に急激に強い運動を行った人、あまり慣れないマッサージを受けた人など、
筋肉疲労がある時にも同様に腰痛を起こすことがあります。
どちらも少し休みを取ると痛みは緩和しますが、筋肉の質を向上させないと同じような痛みを何度も繰り返すことがあり、
治りにくい腰痛のひとつとして注意が必要です。
4.体組織の老化
骨や血管、神経などの細胞は生きていますので、老化が進めば自然と衰えが出てきます。
この老化が急速に進むと痛みとして現れることがあります。
老化が急速に進む場合にはいくつかの要因がありますが、最も多いのは不規則な生活習慣です。
■忙しくて休息を取れない
■食事時間が不規則、ミネラル豊富な野菜をあまり食べていない
■飲酒・喫煙をする
■環境ストレスなどなんらかの緩和しにくいストレスが持続する
こうした【活性酸素が増えやすい状況】が長く続けば、その分だけ体の細胞の老化現象が進むリスクは高くなります。
さらに、閉経後の女性は骨組織がもろくなる”骨粗鬆症”を発症するリスクが高くなります。
何日も腰痛が続く…とある日病院に行ってみたらいつの間にか骨折していた、という事象も決して少なくはないのです。
5.先天的な疾病や内臓疾患でも起こる
「腰痛」と聞くとどうしても「外傷的要因」を先に考えてしまいますが、実は内科的要因でも腰痛は起こります。
患部が体内にある場合、自己対処では改善しない場合が多く、
きちんとした治療を施さないと命に関わるものまであります。
激しい痛み、吐き気などの症状を伴う等の場合は必ず病院に行きましょう。
また、直接命に関わらないまでも、日常的に多く発生し沢山の人を悩ませる”便秘”も腰痛の原因になります。
腸は腰付近にある臓器ですから、
ここに老廃物が溜まり出にくい状態が続くとその重さによって腰椎付近が圧迫され痛みが出ることがあります。
次回も引き続き腰痛の原因についてお話ししたいと思います。